カーボンセラミックス複合材

カーボン
セラミックス

カーボンの欠点をセラミックスがカバー！
燃えない黒鉛系セラミックスのカーセラは、
熱酸化消耗が黒鉛の１０分の１以下の
耐酸化性に優れた材質です。

カーセラの強み

カーセラ（カーボンセラミックス）は
２０２２年１０月に株式会社ＴＹＫが
虹技株式会社より事業を譲り受け
２０２４年４月より販売を開始しました

高い耐酸化性

加熱することで表面に析出したガラス層がコーティングし黒鉛の酸化を抑制します。耐酸化性に優れ、熱酸化消耗が黒鉛の10分の1以下。大気中１２００℃まで使用可能です。

用途に合わせて
選べる組成

カーボンとセラミックスの配合を変えることで、強度、耐熱衝撃性、耐濡れ性、良導電性、高摩擦性、摺動性…等、使用環境や用途に合わせて、最適材質をご提案します。

高密度で高強度

カーセラは、一般的な黒鉛素材と比べると、緻密質で気孔率・ガス通過量の低い素材です。
カーボンとセラミックスとの複合材であるため、高い強度を誇ります。

高い耐酸化性のメカニズム

６００～１２００℃で大気焼成すると、カーセラの中に含まれる微細なセラミックス（炭化ケイ素・炭化ホウ素）が内部から表面に析出し、酸化することで数μｍの保護被膜が形成・コーティングされます。この保護被膜は剥がれたり摩耗したりした場合も、高温酸化雰囲気下であればすぐに自己修復することが可能で、表面は常にコーティングしている状態を維持できます。

化学反応式

SiC　+　2O2 →　SiO2 +　CO2

B4C　+　4O2 →　2B2O3 +　CO2

温度帯によって生成被膜が変わります。約６００～９００℃の場合は主にホウ酸ガラスが生成され、１０００℃～１２００℃の場合は主にケイ酸ガラスが表面に生成されます。

カーセラの特徴

01 高い耐熱衝撃性

カーセラは耐スポーリング性に優れ、温度差８００～１２００℃の熱衝撃にも耐えることができます。

02 溶湯にぬれにくい

カーセラのベースとなる黒鉛材は溶湯がこびりつきにくく、湯切れも良好です。また、耐食性があり、溶湯も汚染しません。

03 低熱膨張特性

熱膨張が非常に少ない素材であり耐摩耗性を兼ね備えた素材であることから、ガラス成型モールドや各種金属モールドにも対応可能です。

04 摺動性にすぐれる

黒鉛材は自己潤滑性があるため、グリースが使用できない高温度域（260～450℃程度）・液中・潤滑剤が適用できない分野でも使用可能です。

カーセラは、高い機械加工性を誇ります

・カーボンベースの素材であるため、機械加工が容易！
・製造時に金型不要。小ロット品もお任せください。
・設計変更時も加工で対応可能です。

試験品・オーダーメイド品のご発注にもぜひご活用ください。

代表的なカーセラ
部材導入実績

非鉄溶解用部材

アルミ・銅・銅合金溶解、流量調整ストッパー、ノズル、
脱ガス関連部材、熱電対保護管、湯面レベルセンサー

ガラス関連部材

ビン金型、ゴブ摺動材

各種耐熱部材

高温耐熱機械部材、成型・焼結モールド

実際の導入事例

アルミニウム溶湯

部材名	カーセラ寿命実績	導入前使用材質	寿命実績
ストッパー	6～12ヶ月以上	黒鉛	3週間～1ヶ月
ストッパー	6～12ヶ月以上	安価ｾﾗﾐｯｸｽ材	2週間～1ヶ月
熱電対用保護管	6～12ヶ月以上	鋳鉄・ＳＵＳ	1～2ヶ月
熱電対用保護管	6～12ヶ月以上	安価ｾﾗﾐｯｸｽ材	2週間～1ヶ月
熱電対用保護管	6～12ヶ月以上	サイアロン	1～2年
湯面センサー	6～12ヶ月以上	鉄・ＳＵＳ	2ヶ月～半年
湯面センサー	6～12ヶ月以上	黒鉛	1～3ヶ月
ノズル	3～12ヶ月	黒鉛	2週間～1ヶ月
回転脱ガス装置部材	6～12ヶ月以上	黒鉛	1～2週間

銅溶湯

部材名	カーセラ寿命実績	導入前使用材質	寿命実績
ストッパー	1～3ヶ月	黒鉛	1日～3週間
ノズル	1～3ヶ月	黒鉛	1～2週間
ノズル	1～3ヶ月	れんが系素材	1～2週間
フロートノズル	1～3ヶ月	黒鉛	1日～1週間
熱電対用保護管	1～3ヶ月	黒鉛	1日～1週間

他素材との物性比較

	比重 g/cm^3	曲げ強さ MPa	熱伝導率Ｗ／ｍ・Ｋ	電気比抵抗 μΩｃｍ	熱膨張係数Ｘ１０＾ー６／℃
カーセラ BS10609	2.09	88	63	1000	6.0
一般黒鉛材	1.78	50	100	1100	4.6
ステンレス SUS304	7.93	―	16	72	17.3
銅	8.93	―	370	1.7	16.7
Al2O3	3.9	400	30	10^8	7
ZrO2	6	1000	4	10^6	10
SiC	3.1	480	160	10^5-8	4
Si3N4	3.23	1000	20	10^4	3